■ストーリー■
事故で夫と娘を亡くした主人公・サラの回復と、友情回復のために集まった女6人。
みんなで観光スポットでるとある洞窟を探検することになっていたが、入り口が塞がってしまう。
仕方なく前進していく6人だったが……
■感想■
人間、暗闇が怖いモノです。昼間に稲川淳二の怖い話を聞くよりも、夜中に聞いた方が怖いに決まってます。
ということで、洞窟という完全な暗闇で襲われるというこの映画のコンセプトは素晴らしいものでしょう。
ネタバレかどうなのか、ギリギリのラインですけど、一応説明しますと、幽霊は出てきません。モンスター・パニックってところです。
怖さの源は、やはり暗闇でどこから襲われるのかわからない、ってところですね。
ライトや発煙筒(明かりが出るので、違う名称かもしれん)、そしてカメラの赤外線モードで視界を確保しながら、足場の悪い洞窟を探索し、そして襲われる。
素晴らしい展開です。
が、どうにも映画の中ではその演出に失敗しているように思えます。
かったるい前振りを映画の半分を使用して行い、ようやく恐怖が始まると思ったら、○○無双みたいな展開にさっさと変わってしまいます。
怖いか? と言われれば確実に怖くない、と答えるでしょう。
なぜ怖くないのか? それは単純で、このホラーでの「モンスター」が、あっさりと価値の低いモノになってしまったからです。
例えばジェイソンやらブギーマンのような、「人型であるが反撃不能」な相手なら、逃げる事しかできない恐怖があります。
もしくは、パラノーマルアクティビティのように、「意図不明、正体不明の相手」なら、何もわからないという恐怖があります。
ですが、この映画はこのどちらからも外れています。
まず、登場してすぐに1匹が非力なはずの主人公達女性によって殺されます。
反撃が可能、という事実を突きつけられて、視聴者は大いに安心するでしょう。
そして、その後の展開やら死体を前にしての解説で、「彼ら」の習性やらなんやらがある程度わかってしまいます。
それによって相手の正体が朧気ながら判明して、またまた視聴者は大いに安心するでしょう。
つまり、もっと反撃不能の恐ろしい強さを持たせるか、その全体図すらまともに映さず、最後の最後まで正体不明の相手、というスタンスを貫き通すことが出来たなら、もっと良い出来になったでしょう。
相手の初登場シーンは、かなり良かったです。
お約束でもありますが、赤外線カメラで当たりを見回すといる……!
というのは大好きです。
と言っても、十分楽しめました。
洞窟内でぐちゃぐちゃになる人間関係と、ある登場人物の覚醒による無双モード発動。
こういうのがあると面白いですね。ツッコミながら見る映画の典型ですけど。
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