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Опухоль Кэтрин Фокс, ИППП ゲーム日記とか映画の感想とかなんとか

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パンズ・ラビリンス 100点

■ストーリー■
スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリア。彼女は妊娠中の母親と共に、母親の再婚相手であり独裁政権軍で大尉を務めるヴィダルに引き取られ、森の中にある軍の砦に移り住む。レジスタンス掃討を指揮する冷酷なヴィダルは、生まれくる自分の子だけを気にかけ、母親も大尉の意向ばかりをうかがうため、オフェリアは顧みられない。オフェリアの相手をするのは砦の家政婦であるメルセデスだが、彼女の弟はレジスタンス運動に身を投じており、メルセデスは大尉の目を盗んでこれに協力していた。砦での暮らしはオフェリアにとって重苦しいものとなっていき、彼女の心は現実から妖精おとぎ話の世界へ引き込まれていく。


■感想■
出てくるクリーチャー目当てで視聴。
ただ予想以上にお気に入りの作品になりました。
ゲリラとの抗争、残虐な継父、自分をかまってくれなくなる母親という辛い現実からの逃避先として、迷宮の守護者パンからもたらされる"試練"に没頭する主人公ですが、絵本の中のおとぎ話のようにはいかず、やたらめったら泥臭かったり血なまぐさかったりする試練が彼女を待ち受けています。

ただのファンタジーを想像して見ると、かなり衝撃をうけること間違い無しの作品ですね。

ハリウッド的映画構成に慣れ親しんだ身としては、"死亡予想者リスト"を映画の序盤に考えついてしまうものですが、尽くそれが外れてしまうのが面白いところでした。

主人公オフェリアの遭遇する試練や不思議な出来事を、果たして本当に起こったものなのか、彼女の生み出した想像だったのかという解釈がネットだとちょっと割れているような気がしました。
私が考えるに、現実か妄想かという二極化はあまり意味を持たず、どちらかと言うとオフェリアが出会った試練の寓意こそ読みとくべきところなのかなと思います。

それぞれの試練が持つ裏の意味は、象徴学などに詳しい方々がすでにネットレビューを書いていますのでそちらを参照していただければと思います。

現実か妄想かというのが意味を成さないというのは、それぞれ矛盾が生じているからです。

最後、大尉から逃げ出したオフェリアはパンと出会い会話していますが、追いかけてきた大尉の目にはパンの姿はなく、一人で佇むオフェリアが映っています。また、体調を崩した母の為にパンが与えてくれたマンドレークは、"生き血を2滴垂らす"ことで効能を発揮します。これは最初に不眠に悩む母に医者が処方してくれた薬が、"2滴垂らすだけでよい"ことと通じています。


そして、それらが全てオフェリアの妄想だったのか考え始めると、軟禁されていたはずのオフェリアが部屋から脱出して弟を連れ出せた理由がわからなくなります。壁にチョークで扉を作っても、開かないというのなら他の脱出手段を講じたはずですが、少なくとも映画の中ではそれは描写されていません。

不思議な力は現実なのか妄想なのか、どちらを考えても上記のような矛盾が生じます。

つまり、それらを考えることに意味はなく、寓意を読みといてもらおうとしているのがこの映画の意図なのかなと思います。


第2の試練のペイルマン、とてもお気に入りです。このモンスター自体にも色々と寓意がこめられているとか。

とにかくお勧めなのでこれは見てほしい映画ですね。

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